遠隔診療の主役、MRTのポケットドクター

2015年8月の厚生労働省医政局長通知には、僻地や離島以外でも遠隔診療を容認する文面が掲載された。これを受け、遠隔診療へ取り組む医療機関が増えつつある。ポケットドクターは、2015年8月の厚生労働省の通達後間もなく発表された。ポケットドクターは、遠隔診療の解禁となった昨年夏よりも以前から事業開発が行われてきた、MRT株式会社の目玉事業の1つである。

MRT株式会社(以下MRT)とは一体どんな会社なのか、最初に紹介する。元々、MRT株式会社は、東京大学医学部付属病院の医師の互助組織を母体として発足し、医局サービスや人材紹介業を展開。東大医学部卒業生の増加に伴い、会員数を増やしてきた。

(出典:pixabay)

(出典:pixabay)

医師のキャリアにおいて、出身大学や、出身組織は、非常に重要な意味合いを持つ。勤めたい病院の重要なキャリアに同じ大学、同じ病院の出身者が多ければ、紹介する際も融通が利く。MRTの事業は、医療において特に影響力を持つ大学病院のバックボーンを支えに発展をとげてきたといえるだろう。

MRTは、これまでの医師紹介サービスの展開を踏まえつつ、医療・ヘルスケア分野で新規事業を開拓する為に、いくつかの取り組みを始めている。

そのうちの1つが「遠隔診療健康相談」であり、ポケットドクターである。これは、スマートフォンのアプリを介して、相談者が医師に「診療」「相談」を受けられるDtoP(Doctor to Patient)のサービスである。「相談」の場合は、あくまで「遠隔相談」であるので、最終的には病院への受診を促すことになる。一方、初診を対面診療をしたことのあるかかりつけ医であれば、「診療」を遠隔で受けられるサービスも展開している。

14152146_1125948577467182_690803055_o

アプリをダウンロードすると、最初に自分がどの立場の人間であるか選択する画面が現れる。ここでは「一般の方」を選択する。すると、以下のような画面に移動する。

 

14215273_1125948570800516_1666938084_o

「かかりつけ医診療」、「予約相談」、「今すぐ相談」、「相談履歴」の項目に分けられており、スマートフォンを介してサービスを受けることが出来る。

「かかりつけ医診療」をタップすると、医療機関から発行されたポケドクナンバーという暗証番号を入力する画面に移動する。情報医療のcuronと似たような仕組みである。ただし、ポケットドクターでは、処方箋の発行は行っていないため、処方薬をもらう為には、病院まで伺わなければならない。

14191747_1125948574133849_2132492108_o

予約相談の場合は、ログイン画面に移動する。

14163897_1126008627461177_498258727_o

14202874_1126008617461178_639897371_o

アカウントを持っていない場合は、別ブラウザに移動して新規会員登録を行うことになる。

ポケットドクターは、かかりつけ医診療サービスを提供している病院、クリニックの名前を公開している。リンクを見る限り、既に多数の医療機関が契約している。これも、人材紹介業をベースとしたこれまでの取り組みがあってのことだろう。

医療領域でマスに展開していく為には、医療者の賛同を得なければならないが、医局、人材紹介業に取り組んでいる会社の方が先行し易い。今後、遠隔診療を受けるならMRTのポケットドクターだと言われる日も近いかもしれない。

<参考URL>

国内初の遠隔診療・健康相談サービス「ポケットドクター」、全国約 150 名の専門医から健康相談が受けられる「予約相談」サービスを提供開始~ 小児科から心療内科まで約 60 以上の幅広い科目の専門医が参画 ~ (MRT株式会社 株式会社オプティム  2016/7/5 プレスリリース)
スマホで遠隔診療、画面でかかりつけ医に相談 熊本地震でも活用、MRTの「ポケットドクター」サービス(日経ビジネスONLINE 2016/8/8)
馬場稔正 MRT株式会社 ポケットドクター1万人を世界に(Forbes JAPAN 2016年10月号 No.027)
リポート◎遠隔診療の新潮流は今(前編) 都市部で続々立ち上がる「ネット診療」(日経メディカル 2016/8/9)

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA