LPixel、人工知能を活用した生体組織の立体構造解析システムの開発へ。病理診断を支援。

(出典:LPixel)

(出典:LPixel)

エルピクセル株式会社(以下、LPixel)は、経済産業省「平成28年度戦略的基盤技術高度化支援事業」において、高性能顕微鏡メーカーの株式会社TCKらとの協同プロジェクト「レーザーアブレーション技術 を用いて生体組織の構造解析を高速かつ低価格で実現するナノレベル3D構造解析システムの開発」が採択された。同プロジェクトは、2018年の事業化を目指し開発が開始される。

近年、医療現場での病理診断や再生医療の進歩とともに、医師は膨大な数の診断と向き合うこととなった。高度なスキルが要求される病理診断では対象となる画像が増え続けている。現状では、病理診断を行う為に、標本作製から診断までを人の手作業で行っており、デジタル化が非常に遅れていた。病理診断は、疾患の最終的な確定診断の重要なエビデンスとなる為、どうしても避けては通れない手段であるが、アナログ過ぎて、面倒な作業になっていた。

一方で、全国に病理医は約2300人(医師全体の1%未満)しかいない(日本病理学会のリンクを参照)。こうした病理医、病理診断従事者の作業負担の増加が近年問題視されている。画像診断領域においては、放射線科医だけでなく、病理医も人手不足である。そこで、デジタル化による作業の効率化が求められていた。

同プロジェクトでは、標本作成から診断までをほぼ自動化するシステムを構築する。

まず、ナノレベルの分解能で生体組織の観察を可能とするために、主に電子顕微鏡、レーザーアブレーションシステム、3次元画像判定用エンジンで構成されるシステムを開発する。試料スライスから画像取得までを全自動で実施でき、組織の撮像に伴う損傷を最小限に抑え、短時間かつ大量の切片画像を取得。さらに切片画像から3Dイメージを構築し、一部ディープラーニングも用いた病理医の診断をサポートする診断支援システムの構築を目指すという。

このシステムが出来れば、病理診断のこれまで人の手で行ってきた領域のほとんどが自動化され、作業の手間を大幅に省くことが出来る。

同プロジェクトの中でLPixelは、バイオメディカルイメージング分野の研究で培ったノウハウを活かし、3次元構築と3次元画像判定用エンジンの開発を担当。同開発課題で取り組むレーザーアブレーション技術を用いた撮像装置と組み合わせることで、病理診断の標準化・効率化を促進し、病理分野の発展に大きく寄与することが期待される。

LPixelは、元々東京大学の生命科学の研究室のメンバーが中心となって創業した会社で、特にライフサイエンス領域の画像解析に強みを持つ。小保方問題が注目された時、画像不正を調べることが出来る「LP-exam」をリリースし、研究領域で注目を浴びた。その後、様々な研究機関、企業をクライアントに持ちながら、医療をはじめ、農業、ITなど複数のドメインで事業開発を行っている。

ライフサイエンス×画像解析はLPixelが最も得意とする事業ドメインである。医療の画像解析領域で、LPixelは今後トップランナーとなるだろう。

<参考URL>

東大発ベンチャーLPixel,世界初生体組織の立体構造情報と人工知能を活用する病理診断支援システム開発へ〜経済産業省 「平成28年度戦略的基盤技術高度化支援事業」に採択〜(Innervision 2016/8/25)
LPixel、生体組織の立体構造情報と人工知能を活用する病理診断支援システム開発(IoTNews 2016/8/25)
経済産業省「平成28年度戦略的基盤技術高度化支援事業」にて生体組織の立体構造情報と人工知能を活用する病理診断支援システム開発プロジェクトが採択されました。(LPixel プレスリリース 2016/8/25)
東大発ベンチャー、生体組織の立体構造情報と人工知能を活用する病理診断支援システム開発へ(MEDTECH Japan Online 2016/8/26)
生体組織の立体構造情報と人工知能を用いた病理診断支援 東大発ベンチャーのエルピクセルがシステム開発へ(日経デジタルヘルス 2016/8/29)

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA