日本遠隔医療協会ワークショップ(2016/9/18)②遠隔診療サービスの展望

<日本遠隔医療協会ワークショップ(2016/9/18)シリーズ>
①遠隔医療の視座
②遠隔診療サービスの展望

14360493_1136378689760540_1246303568_o

 

長谷川氏の講演に続き、京都府立医科大学の加藤浩晃先生より、「遠隔医療サービスの展望」と題して、これまで生まれてきた遠隔医療のサービスの概要と、今後の展開について講演頂いた。講演内容は以下の通り。

<遠隔診療と遠隔医療相談の違い>

microsoft_powerpoint_-_ay%c6%9220160213a%e2%80%a2%e2%80%a2e%e2%80%a0eei%ef%ac%82acz%e2%80%a1a_%c2%a6a%c2%bcisc2016_ver_2

当日の資料より

 

遠隔医療サービスは、主に以下の3つに分類される。

①医師から患者とコミュニケーションをとるDtoP(Doctor to Patient)のサービス、
②医師が専門医などに相談するDtoD(Doctor to Doctor)のサービス、
③医師から看護師を経由して患者とコミュニケーションをとるDtoNtoP(Doctor to Nurse to Patient)のサービス

また、これらの遠隔医療サービスの中でも、診療(診察や治療)行為となる「遠隔診療」と、あくまで相談の体裁をとる「遠隔医療相談」では、全然違うものだと述べる。

当日の資料より

当日の資料より

 

最も大きな違いは、遠隔診療は診療行為であり、遠隔医療相談は診療行為ではない、ということである。

遠隔診療は、診療行為であるため、医師法・歯科医師法17条(免許を有さないものによる医療行為を禁止する)にのっとり行われる。診療行為の中でも、保険診療、自費診療とあり、2つは健康保険法により分類されていく。保険診療の場合は、健康保険により◯割負担、自費診療は、全額負担と分かれていく。一方、遠隔相談の場合は、その相談料は自費負担となる。

<遠隔診療に関連した法整備>

遠隔診療に関連した法整備については、医師法20条(医師の無診察治療等の禁止)の解釈によるところが大きい。

平成9年の厚生省健生局の通知により、「遠隔診療」を行うことは、直ちに医師法20条に違反するものではないことが明確化された。その後、2003年に、通知の改正という形で、適用症例の例示がなされ、2011年に、さらに通知の改正で、適用症例の増加(在宅)、僻地など対面診療が難しい場合以外でも「遠隔診療」が可能であることが明記された。

2015年8月の医政局の事務連絡は、2011年の改正通知を改めて周知徹底する内容であった。直接の対面診療と組み合わせれば、「遠隔診療」は基本的にOKであり、例示した事例以外でも適用されることを述べている。

2016年3月には、電子メールやLINEなどSNSによる写真の掲載、チャットのみではNGであること、遠隔診療だけ完結してしまうのは違反であることも述べられている。これらで完結するのは、あくまで「相談」にとどめるのが賢明であるようだ。

<保険外併用療養費について>

大学病院等で診療を受ける際に、保険外診療と保険診療を併用して受けることが出来るケースがある。これを保険外併用療養と呼ぶ。保険外併用が適用となるケースには、「評価療養」と「選定療養」がある。

保険外併用療養費(全国健康保険協会)

2016年の診療報酬改訂により、特定機能病院及び一般病床500床以上の地域医療支援病院を紹介状なしで外来受診した際、定額の料金を徴収することになったが、これも「選定療養」の制度の1つである。

ところで、通常の外来(直接の対面診療)では、特定疾患療養(治療)管理料などの管理料を徴収することが出来るが、遠隔診療の場合は、再診料と処方箋発行料しか徴収することが出来ない。

そこで、遠隔診療では、再診料+処方箋発行料に加えて、「選定療養」の予約診療料を加算することで収益を補うことになる。

<診療と相談の線引きは?>

ビデオやチャット相談も、一歩踏み込むと、具体的な治療のアドバイスに踏み込みかねない。遠隔診療のなかでも、小児科の診療相談のサービスは増えてきているが、診療をしていないかどうかの線引きは難しい。

<どんな遠隔医療サービスが展開しているか>

当日の資料より

当日の資料より

 

遠隔診療サービスの提供方法には、主に自社開発のアプリやソフトウェアを用意している会社と、LINEやSkypeなど既存の通信サービスを利用している会社とに分かれる。

今回講演したMRTのポケットドクター、ポートのポートメディカル、MEDLEYのCLINICSなどは、自社開発である。一方、お茶の水内科オンラインや、医療法人社団ナイズのDr.365などは、既存の通信サービスを利用している。

 

当日の資料より

当日の資料より

 

遠隔医療相談サービスとしては、MRTのポケットドクター(MRTのポケットドクターは、相談も診療も両方カバーしている)、メドピア傘下のMediplatのfirstcallなどが挙げられる。(遠隔相談は、診療を受ける前の事前相談という立ち位置のサービスが多いように感じられる。)

 

以上を踏まえて、次回以降は、各サービスの事例について紹介する。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA