独Siemensが医療ビジネスを分離へ

(出典:flickr)

(出典:flickr)

Bloombergの記事によれば、独Siemensが医療ビジネス部門を分離する方針であるようだ。まだ、どのタイミングでかは、明言をしていないが、Siemensの医療部門は15億ドル(約150億円)の規模であり、医療系診断装置の領域での大きな動きであることは間違いない。

Siemensは、これまで医療以外では、高速列車、風力タービンなど産業部門を中心に取り組んできた。最近では、携帯電話、電球、補聴器などのBtoC向け部門から、産業用とに軸足を変え、自社のポートフォリオを修正してきた。

医療部門では、MRIやCTなどの画像診断装置を中心に米GEや蘭Philipsなどとしのぎを削ってきたが、医療ビジネス単体で切り離すことで、競争力を維持した上で、成長と投資を維持出来ると考えているようだ。

画像診断装置では、最近でもSynthetic MRIやDual Source CTなど、新たな技術が現場で導入され、日進月歩の領域ではあるが、各社とも製品が高度化し、差別化が難しくなってきているのが現状だ。Siemensの画像診断装置の技術は、Z Sharpをはじめ独自のものが常に開発されてきた印象を受ける。

事業の譲渡や売却、撤退等が難しいのは、投資に見合う利益、成長が今後見込めるかどうか、うまく見極めることが出来ないからであろう。

(参考:DeNAに学ぶ事業撤退のタイミング)

ドイツでは、官民一体となって、IoTを活用した製造業の高度デジタル化、「インダストリー4.0」が進められている。ドイツにおける製造業は、国の基幹産業であるが、近年は高コスト化に悩まされており、その打開策として、コンピュータを利用した柔軟な製造システムで特注品を製造する「マスカスタマイゼーション」を取り入れつつある。マスカスタマイゼーションにより、柔軟な製品カスタマイズと低コストの大量生産プロセスを両立させることが出来る。これが「インダストリー4.0」のメインの要素であり、Siemensはこの取り組みを中心となって推進している。

GEもIoTを用いてインダストリアル・インターネットという産業向けの仕組みを開発しているが、IoTを工場の生産プロセス以外でも活用する。例えば、IoTを医療診断装置に活用すれば、将来の障害を事前予測し、保守点検のコストを下げることが出来るかも知れない。機器ベースの分析、自動化、予測によって、これまでのプロセスを効率化する。

いずれにせよ、医療分野において、Siemensで大きな動きが今後おこることは間違いないだろう。

<参考URL>
Siemens Plans to Spin Off Health Unit as CEO Sharpens Focus(Bloomberg Market 2016/11/10)
シーメンス、「考える工場」で生産革命~究極のマスカスタマイゼーションを目指す~(日経ビジネス 2015/9/28)

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA