ソフトウェアの医療安全:ベンダーと医療者の間をつなぐもの

(出典:アルム)

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これが日本初の保険適用アプリ、「Join」の実力は… 脳卒中治療をスマホで支援、入院日数・医療費減にも効果(日経デジタルヘルス 2016/12/9)

2014年11月に施行された医薬品医療機器等法で、医療用ソフトウェアは新たに医療機器として認められるようになった。「Join」はその医療用ソフトウエア(単体プログラム)の保険適用第1号となった。医療現場で活用出来るソフトウェアを開発している会社は多いが、医療現場が実際どのようなところかを知らないと、現場で使えるソフトウェアは作れない。Joinは、その意味で画期的であると筆者は考える。

医療現場では、個々の患者様で、同じ人は1人もいない。既往歴、身体の一般状態、車椅子かそうでないか、酸素吸引機をつけているか、骨折しているか、腎機能(eGFR)、バイタルなど、検査前に事前情報として知っておきたい医療情報は沢山ある。また、事前に準備をしていても、実際に目で見ないとその患者様がどういう状態なのか分からない。患者様の状態を分からないままにコミュニケーションをすると、事故が起きる。情報共有も直接担当者間でコミュニケーションを取っていること自体が医療安全に繋がる。

その為、ITでよく使われるChatworkやSlackのようなサービスをそのまま医療で活用することは難しい。患者様の病室の位置、今日の状態をPC画面で逐一確認は出来るけれど、個別の連絡はPHSやナースコールなどでとっているのは、医療安全の観点から考えると、仕方が無い面がある。

また、病院ごとに状況が違うため、同じソフトウェアを別の病院で同じように活用出来るとも限らない。事前に人間のミスを考慮に入れていて、表示の見易いサービスを開発したとしても、想定される利用場面を洗い出して、リスクマネジメントをしっかりしなければ、新しいベンダーを使ったことで医療ミスが起こる可能性がある。

古いHISやRISをアップデートする際にも、企業側が説明するために病院にくることもある。どのような仕様にするかも、現場の医師、看護師をはじめとしたコメディカルの声を聞いた上で考えた方がより良いサービスになる。診療機器は、日夜新しいものが現場に現れており、現場スタッフは日々新しい診療技術にたいし、キャッチアップしている。

以前は紙のカルテを検査ごとに回していたことを考えれば、電子カルテの導入によって、現場の負担は確実に減った。ソフトウェアを適切に導入すれば、現場の負担は更に減る可能性がある。だからこそ、現場スタッフがより便利なソフトウェアを利用出来るようにキャッチアップすることは、その他の診療機器と同じく重要な仕事であるだろう。

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