ポートの宮崎県西米良村での遠隔診療の取り組み

ポート株式会社(以下ポート)が、2016年12月より宮崎県 児湯郡 西米良村と同村の西米良診療所と、村全域を対象にポートの遠隔診療サービス「ポートメディカル」の導入を開始した。

ポートは、2015年11月から遠隔医療サービス「ポートメディカル」のα版を開始し、少しずつ、地域医療の課題へのアプローチを進めている。

「ポートメディカル」は、対面診療後に、インターネットサービスを利用し、医師の診療から薬の処方、受け取りまでを可能にするサービスである。医療機関側のコスト負担は0円であり、診療報酬手数料の一部を患者側が負担する仕組みとなっている。

「ポートメディカル」のサービスについては、以下を参考にされたい。

日本遠隔医療協会ワークショップ③遠隔医療サービスの事例紹介(1)

<日南市での取り組み>

2016年6月から宮崎県日南市で無医地区(大戸野地区と山仮屋地区)での遠隔診療がスタートした。日南市では、ポートが提供するICT機器を用いて、中部病院の医師が公民館にいる住民を遠隔で診療する。

都内であれば往診も出来るかもしれないが、山間部では往診が難しい。片道40分かけて往診していた在宅診療を、遠隔診療によって代替出来れば、無医地区の医療を改善出来るかも知れない。

遠隔医療は新しい医療の在り方として期待されるものの、技術的な有効性、医療的な有効性はまだ確立出来ていない。そのため、診療実績を元に遠隔医療の有効性をエビデンスとして示す必要がある。

<西米良村の医療環境>

西米良診療所は、総合診療医2名が交代しながら、夜間休日を含めた24時間365日の診療体制をとっている。19床(一般病床13床、介護療養病床6床)を有しており、県から2名の医師が派遣されている。医療設備は、レントゲン、内視鏡、腹部エコーと画像診断システムがある。

2名の医師が人口約1200人の村の医療を支えているということになる。西米良村は、65歳以上の人口比率が42.2%(平成28年11月30日時点)と高齢化が進んだ地域である。限られた人と設備でいかに地域医療を支えていくかが大きな問題である。

96%が山林地という環境の中で医療へのアクセスを便利にすることは、社会的にも意義があるだろう。(もちろん、遠隔診療は再診以降の患者が対象なので、必ず1回は対面診療を行わなければならない。)

<ポートの今後の取り組み>

ポートは「ポートメディカル」のサービスを通して、スマートフォンのテレビ電話等を活用した診療で、再診患者に対して診療、薬の処方を実施する。地域イベントと連携して新規受診需要を掘り起こしていく。

今後は日南での事業も合わせて、大学等の研究機関とポートの医療研究チームで連携し、積極的にエビデンス構築、政策提言をしていくようだ。

遠隔医療サービスが普及すれば、これまで時間的、地理的制約によって医療機関の診療を受けられなかった患者も医療へアクセスし易くなるだろう。適切な取り組みを進めていくことで、社会的な意義も認知されていく。

地道な取り組みではあるが、限られたリソースの中で医療を支える為に、遠隔医療が欠かせない日が今後来るだろう。

 

遠隔診療を地域全域に導入、宮崎県西米良村(日経デジタルヘルス 2016/12/15)
好きですにちなん(2016年8月号)
宮崎県西米良村の全域における「ポートメディカル」導入のお知らせ(ポート株式会社 プレスリリース 2016/12/15)
西米良村のホームページ
国民健康保険西米良診療所(宮崎県地域医療支援機構)
特集:地域医療の星、地域を照らす-西米良診療所院長 片山陽平-(宮崎県地域医療支援機構)

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA