HoloLens:VRは医療現場を変えるか?

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Forbes JAPAN 2016/10 26~27ページ見開きより

<VRを用いた手術が今後普及する?>

Forbesの2016年10月号でVRを用いた手術が特集の冒頭で紹介された。杉本真樹医師が、Oculusを頭につけて手術シミュレーションをしている写真が大きく取り上げられている。

人それぞれ、血管の走行、臓器の形態や位置なども異なるため、手術前には事前のシミュレーションが必要だ。
手術のシミュレーションの為に、透視撮影を事前に行ったり、エコー、CTやMRIなどの画像検査を行い、ワークステーションを用いて3Dの画像再構成モデルが作られる。

高度な専門性が求められるが、平面のLCDモニターでは、奥行きがうまくつかめなかったり、手がどこまで届くかなどが手術本番にならないと分からないことがある。

VRを用いれば、360°の視界の中で、CTスキャンのデータ等を用いた「VR解剖図」を作り、仮想空間内で術者が小人のように患者の体内に入っていくことが出来る。VR解剖図を扱う為に、事前に画像最構成モデルを作っておく必要がある。

同じHU値(X線の減弱度に対応したCTスキャン特有の値)でも、人体解剖とは関係が無い要素(ベッドなど)や、重要度の低いものがあるので、同じ画素値のなかで必要の無い情報を削ぎ落としていくプロセスが必要だ。もし、今後VRを扱う手術が普及していけば、現場の医師や技師の負担と責任もより大きくなるだろう。

<HoloLensが医療現場を変える?>

日本発のVRでは、視線追跡技術を搭載したVRデバイスを開発するFOVEや、建築土木向けに3DCADデータや3Dモデルデータをインポートして操作出来るシステム「SYMMETRY」を開発するDVERSEなどが注目されている。

そんななかで、医療現場で活用出来るVRの開発を進めているのが、Holoeyesだ。先の杉本真樹医師もHoloeyesの創業に関わっている。

YouTubeにて、HoloLensを用いたVR画像を紹介する動画が挙がっている。病院の中の景色と、患者の人体解剖の3Dモデルがミックスされた状態で表示され、HoloLensを身につけた医師が、VRを見ながら手術を行っていく。

<HoloLensを体感して>

筆者は、MicrosoftのHoloLensを先日初体験した。筆者がOculus RiftやGalaxy Gear VR、ハコスコなどを展示会などで見た時は、視界が360°完全に映像に包まれて、現実世界から離れてしまう感覚を味わった。しかし、HoloLensは、現実世界と3次元の映像が目の前で同時に存在しており、現実世界を意識することが出来る。3Dのホログラムを目の前にして、実物ではなかなか出来ない手技を行うのに適していると感じた。

(HoloLensで撮影した画像)

(HoloLensで撮影した画像)

後ろについているねじを回して頭に装着すると、眼鏡ごしに3D画面が投影されているのが見える。手を上に向けて開く動作をするとメニューが開き、InternetExplorerを開いたり、3Dモデルを表示したりすることが出来る。

少し頭が重い感覚があり、鼻を密着させて画面がよく見えるように左手でおさえる必要があったが、リアルな3Dモデルを見ることが出来た。視野はやや狭いように感じる。HoloLensは2時間程度まで電池がもつ。

HoloLens自体が空間把握しており、3Dモデルを特定の位置に配置して、360°方向から眺めることが出来る。指ではじく動作をすると、拡大縮小や回転、位置の移動などを行うことが出来る。慣れれば、簡単なモーションで色々な操作を行うことが出来るようになる。

電池の問題や使い勝手などを考えると、実際の手術で活用するには、もう少しハードルを越えなければいけないと感じるが、手術前のシミュレーションや医療教育にはどんどん活用していくといいと筆者は考える。

先日100人以上の来場があり、100台のHoloLensを展示して、使い方、アプリ開発、体験会等を行う「Tokyo HoloLens Meetup vol.1」が開催された。杉本医師も登壇された。VRは黎明期であり、今後普及していく中で、医療現場を変えていくに違いない。

教育から建築まで。MSの新デヴァイス「HoloLens」が変える世界(動画あり)(WIRED 2015/5/8)

HoloLensは「プロフェッショナル向け」の製品として開発 ―MSが明言(ガジェット速報)

世界初「8Kロボット手術」 最先端技術で医療はどう変わるのか?(Forbes Japan 2016/10/18)

Hololensは医療教育の現場をどう変化させていくのか?(GETAR 2016/6/23)

HoloLensが医療に変革、脳神経外科手術で患者の脳内をARで視覚化(GETAR 2016/10/29)

Microsoft HoloLens、医療分野での6つの活用例(Medinews 2015/7/3)

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