業務支援からベッドサイドの対話まで:ロボットが医療にもたらすもの

(出典:pixabey)

(出典:pixabey)

ブラックジャックで手を切断された学生が、義手との対話を通じて将棋の才能に目覚める話を読んだことがある。話の最後になり、大事な将棋大会の前に、対話していた義手の声の主が、クラスメートの女の子だということを知る。

ロボットは、人間の代わりに出来ない作業をするだけでなく、身体を不自由にしている人と心を通わせるきっかけにもなる、という話を小学生の時に既に読んでいた。

<医療ロボットの取り組みとは>

少し古い資料だが、医療用ロボットの分類として2014年の官邸資料「医療分野におけるロボット活用」によれば、医療ロボットの役割は大きく「医療行為のサポート」、「事務負担の軽減」、「看護業務のサポート」という形で分類される。

では、実際、どのような医療ロボットを扱う会社があるのだろうか?

国内株式を中心とする投資運用を行っているアセットアライブ株式会社が運営する株式情報サイトの中に、株テーマとして「医療ロボット」というテーマがある。
そこで、取り上げられていたのが、CYBERDYNE,安川電機、川崎重工などだ。

CYBERDYNE(サイバーダイン)は、ロボットスーツHAL医療用を米国に輸出するために、米国食品医薬品局(FDA)に対して、医療機器承認を取得するための申請を提出した。日欧では既に医療機器として承認されている。

【ニュース】米国FDAに対して、革新的サイバニック治療を行う医療機器として医療用HAL®のPre-Submissionを提出 〜継続的な対話によるFDA側の理解の深化を踏まえ、他に類のない革新的治療機器としての承認に向けた手続きを開始〜(CYBERDYNEプレスリリース 2016/11/7)

実際、コメディカルが行う患者接遇の中で、体重移動、姿勢の変化など、身体を持ち上げて移動する仕事がかなり多い。特に身体の重い患者を移動する際に腰を痛める可能性があり、業務用にコルセットを科でとりよせる場合もあるようだ。ロボットスーツは、これに代わるものとして欠かせない存在になるかもしれない。

安川電機は、医療やバイオ研究分野における試薬や検体の分析前処理作業向けロボットを開発。昨年、アプリケーション上でロボットの動作を変更出来るパスプランニング機能を開発した。

また、下肢リハビリ用ロボットLR2や、脊髄損傷患者向けの歩行支援装置ReWalkなども提供している。

ロボットの導入を容易にするパスプランニング機能を開発– ロボットの動作軌道を自動生成し、作業者の負担を軽減 –(安川電機プレスリリース 2016/6/13)

安川電機の医療・福祉機器情報サイトCocoroe

川崎重工業とシスメックスは、医療用ロボット開発に向けたマーケティング会社「メディカロイド(Medicaroid)」を共同で設立。ポスト・ダビンチに向けた手術支援ロボットの開発を行っている。また、2017年3月にハイブリッド手術室用のスマート手術台を製品化する予定だ。

手術台もスマートに。川重がロボット技術と組み合わせ製品化(ニュースイッチ 2016/12/10)

また、未上場のベンチャーの中では、内視鏡操作システム「EMARO」を提供するリバーフィールドが挙げられる。

<ロボットがベッドサイドのコミュニケーションを行う>

キューブラー・ロスの「死ぬ瞬間」という本では、病院に入院している患者に対し、医療従事者が普段聞けない心の声を聞くシーンが多数紹介されているが、普段、医師や看護師の前では見せない姿を筆者に示す。

コミュニケーションは、患者にとって必要な助けになるが、医療スタッフが、患者一人一人にきめの細かい対話のケアを行うことは難しいのが現状だ。

そこで、ベッドサイドのコミュニケーションにロボットを活用する、という方法も考えられるのではないだろうか?

例えば、ベッドサイドの患者さんが自分のアバターを介して、外の世界を体感したり、家族と対話出来るロボットOrihimeがある。

また、先日のHealth2.0では、ウィンクルの「Gatebox」を用いて、ベッドサイドの患者に対し何が出来るかという議論がされたという。

医療・ヘルスケア分野におけるロボット・ブロックチェーンの活用は?「Health2.0 ASIA-JAPAN2016」イベントレポート(CodeIQマガジン 2016/12/27)
「Gatebox」は、ホログラフィーとして映し出された3Dキャラクターがインターネットや家電など自宅にある様々なモノとつながり、主人とコミュニケーションを行うバーチャルホームロボットだ。ロボット自身が人格を持っているかのようにユーザーと対話形式で応答するのが特徴だ。

筆者は、ロボットはあくまでプログラムであり、人間のような意識を持たないという考えを持っている。「私とは何者か?」をロボットは考えない。

ただ、チューリングテストをクリアする性能の良いロボットなら、人間の心を癒してくれるのかも知れない。

ロボットに恋をする映画も数年前に話題になった。全く非現実的な話ではない。

ロボットは、人間の代わりに出来ない作業をするだけでなく、身体を不自由にしている人と心を通わせるきっかけになるだろう。

(出典:pixabey)

(出典:pixabey)

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA