血糖値計測をローコストで行うFree StyleリブレPro

(出典:pixabey)

(出典:pixabey)

<糖尿病患者の血糖値管理>

糖尿病ネットワークによれば、世界の成人糖尿病有病者は2014年までに4億2200万人を越え、1980年から4倍近く増加しており、日本での糖尿病患者数は、316万人にのぼるそうだ。

世界の糖尿病人口が4.2億人を超える 世界保健機関(WHO)が対策を要請(糖尿病ネットワーク 2016年04月08日)
糖尿病患者数が過去最多の316万人超に増加 【2014年患者調査】(糖尿病ネットワーク 2015年12月19日)

糖尿病患者にとって、日々の血糖値計測をどう管理するかは非常に重要な問題だ。毎日何回かにわけてインスリン注射を行っても、うまく血糖値の維持が出来ず、日常生活に支障をきたす場合もあるようだ。

最近では、携帯型音楽プレイヤーとそれほど変わらない大きさのインスリンポンプ、センサー機器が発売されており、リアルタイムの血糖値を調べ、24時間を通じてインスリンの注入が出来るようになってきている。ここでは割愛するが、SAP(Sensor Augmented Pump)療法で調べるというものがあるようだ。興味がある場合は、専門医に聞いてみるとよいだろう。

<CGMを低価格で行える装置>

糖尿病患者のインスリン療法において、低侵襲で継続的に血糖値を測定出来る方法としてCGM(Continuous Glucose Monitoring)という方法がある。これは、腹部や腕部にセンサーを装着し、間質液中のグルコース濃度を調べるものだ。装着するとセンサーの針が皮下組織に挿入されたままの状態になり、間質液中のグルコース値を測定。この値に補正計算を行って血糖値を算出する。

2016年12月に発売されたあるCGMの新デバイスが、専門医らの注目を集めているそうだ。アボットジャパンが販売している「FreeStyleリブレPro」だ。以下の記事に詳細がまとめられている。

トレンド◎2週間血糖値を測定し続ける6380円の使い捨てセンサー登場 糖尿病診療を変える「低価格」持続血糖測定器 (日経メディカル 2016/12/20)

装着するとセンサーの針が皮下組織に挿入されたままの状態になり、間質液中のグルコース濃度を測定。間質液中のグルコース濃度が血糖値と相関することを利用し、血糖値の変動をシミュレートする。

検査期間が終了したらセンサーを回収し、装着期間中の血糖値の変動をパソコンで後ろ向きに確認できる。

<FreeStyleリブレProのメリット>

CGMは、何日間かにわたって血糖値の変動を記録できるため、これまで見落としがちだった夜間低血糖や食後高血糖などの発見が容易になる利点がある。しかし、従来型は機械の価格が数十万程度し、手が届きにくかった。

今回の装置は、交通系ICカード等に用いられる非接触通信技術を用いたことで、測定結果を送信する機器(トランスミッターというそうだ)のコストを低く抑えたようだ。
センサー機器も特定保険医療材料として保険償還される。そして、「皮下連続式グルコース測定」(700点)という診療報酬項目として算定できる。

D231-2 皮下連続式グルコース測定(一連につき)(平成28年度 診療報酬点数 日本の臨床サポート)

医療機関側は、これまでより格段にローコストで導入出来、収益をあげることが出来るので、糖尿病疾患の継続治療を行い易くなったと言えるだろう。

また、これまでは、血糖値を自己測定することで、機器の値を校正する必要があったが、検出電流値のばらつきを抑えることで校正の必要をなくしている。

自己測定デバイスのほとんどは、ブドウ糖酸化酵素電極法(GOD法)を用いており、グルコースとブドウ糖酸化酵素との化学反応を利用して電荷を収集しているようだ。

Free Styleリブレシリーズは、GDH(グルコースデヒドロゲナーゼ)と、β-ケトンを用いて測定している為、GOD法とは原理が少し異なる。

患者にとっては、校正の手間も省け、これまで程お金をかけなくても定期通院することが出来るようになれば、QOLが上がるだろう。

<併用出来ない可能性の高い検査も>

問題は、計測中に何らかの検査を行う際、外すべきかどうかという点だ。X線撮影、CTやMRIなど高いエネルギーの電磁場を用いて検査を行う場合、センサーに影響が発生する可能性がある。どうしても検査を行う必要がある場合は、外来で一度確認をとり、安全を調べた上でデバイスを外さなくてはいけないケースも考えられる。

ペースメーカーの場合と同様に、最初にデバイスを患者に装着を指示する際、最終的にどの科が責任を持って対応するのかをあらかじめ確認する必要があるだろう。

使用時には、専門医にしっかり相談する必要がある。

<参考URL>
糖化ストレスマーカーの測定法(1) 血糖、糖化蛋白、糖化反応中間体の測定(アークレイグループ からだサポート研究所)
SAP療法とは(インスリンポンプ療法.jp 日本メドトロニック)
FreeStyle(アボットジャパン)

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